子どもがかかりやすい感染症と家庭でできる予防のポイント
子どもがかかりやすい感染症のなかでも比較的流行しやすいと考えられている、溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、手足口病、りんご病(伝染性紅斑)、ヘルパンギーナの症状と、家庭でできる感染予防のポイントを説明します。
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細菌やウイルスなどが体の中に入り込み増えることで起こるのが感染症です。
その中には、ワクチンで予防できる病気もあります。
ここでは、お子さんの健康を守るために大切な「ワクチンで予防できる病気」と「接種スケジュール」についてわかりやすく解説します。お子さんの体調や生活リズムに合わせて、かかりつけの先生と相談しながら、適切な時期に接種を進めていきましょう。

ワクチンで予防できる病気には、乳児期に多いHib(インフルエンザ菌b型)感染症や肺炎球菌感染症のほか、麻しん(はしか)や風しん、水痘(みずぼうそう)などがあります。
ワクチンは年齢や月齢に合わせて接種時期が決められており、適切なタイミングで接種することが大切です。
また、予防接種には定期接種と任意接種の2種類があり、定期接種は国の制度に基づき、公費で受けられるもの、任意接種は希望により自費で受けるもので自治体によっては助成される場合があります。

赤ちゃんは生後2か月から予防接種が始まります。
0〜1歳の間に接種するワクチンで予防できる病気には、B型肝炎、ロタウイルス感染症、肺炎球菌感染症、ポリオ、百日咳、Hib(インフルエンザ菌b型)感染症、破傷風(はしょうふう)、ジフテリア、結核、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症等があります。
肝臓にB型肝炎ウイルスが感染して起こる病気です。感染すると、ウイルスが体に残って将来「慢性肝炎」や「肝がん」になることがあります。
主に血液や体液を介して感染します。お母さんから赤ちゃんへの母子感染も起こります。
生後2か月から接種を始め、合計3回(1目目:生後2か月、2回目:生後3か月、3回目:生後7~8か月後)が基本です。
※母子感染予防では別の接種スケジュールが定められています。
ロタウイルスにより引き起こされる病気です。乳幼児に多い急性胃腸炎で、おう吐や水のような下痢、発熱が続きます。重い脱水で入院が必要になることもあります。
主に便の中のウイルスが手やおもちゃなどを介して口に入ることで感染します。
生後6週から接種可能で、通常は生後2か月から始めて、生後14週と6日までに接種するようにしてください。飲むタイプのワクチンで、種類によって2回または3回接種します。
肺炎球菌という細菌により引き起こされる病気の総称です。この菌は集団生活が始まるとほとんどのお子さんがもっているといわれています。免疫力や抵抗力が低下して菌が体内に侵入すると、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。小さい子どもほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
咳やくしゃみなどの飛沫(ひまつ)により感染します。
生後2か月から接種を開始し、初回3回+1歳になったら追加1回の計4回の接種が基本です。
初回接種時の月齢、年齢によって接種回数が変わりますので、詳細については母子健康手帳、自治体または接種を受ける医療機関に確認しましょう。
ポリオウイルスにより引き起こされる病気です。感染すると発熱や頭痛など、かぜのような症状がみられます。手足の筋肉や呼吸にかかわる筋肉等に作用して麻痺を生じることがあります。5歳以下の子どもがかかることが多いとされています。
便などにいるウイルスが口を介して感染します。
2024年4月より、5種混合ワクチンが定期予防接種となりました。標準的には、この5種混合ワクチンを生後2か月から計4回接種することが推奨されています。
百日咳菌により引き起こされる病気です。激しい咳がみられ、1歳以下の乳児、とくに生後6か月以下の乳児では呼吸が止まることもあります。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)により感染します。赤ちゃんは家族から感染するケースが多いです。
2024年4月より、5種混合ワクチンが定期予防接種となりました。標準的には、この5種混合ワクチンを生後2か月から計4回接種することが推奨されています。
ヘモフィルスインフルエンザ菌b型により引き起こされる病気です。菌が血液の中に侵入すると肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎等の重篤な疾患を引き起こすことがあります。ほとんどが5歳未満で発生します。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)により感染します。症状がないまま菌を保有して日常生活を送っているお子さんも多くいます。
2024年4月より、5種混合ワクチンが定期予防接種となりました。標準的には、この5種混合ワクチンを生後2か月から計4回接種することが推奨されています。
破傷風菌により引き起こされる病気です。土の中などにいる細菌が、ケガなどの傷口から体内に入って感染します。菌により産生された毒素がさまざまな神経に作用し、口が開きづらい、顔の痙攣、あごが疲れるなどの症状が現れます。
人から人には感染しません。土の中などにいる細菌が、けがなどの傷口から体内に入って発症します。
2024年4月より、5種混合ワクチンが定期予防接種となりました。標準的には、この5種混合ワクチンを生後2か月から計4回接種することが推奨されています。
追加接種として、標準的には2種混合(DT)ワクチン(ジフテリア、破傷風混合ワクチン)を11歳~12歳までの間に1回接種することが推奨されています。
ジフテリア菌により引き起こされる病気です。のどに白い膜ができ、呼吸が苦しくなったり、心臓や神経に合併症を起こすことがあります。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)により感染します。
2024年4月より、5種混合ワクチンが定期予防接種となりました。標準的には、この5種混合ワクチンを生後2か月から計4回接種することが推奨されています。
追加接種として、標準的には2種混合(DT)ワクチン(ジフテリア、破傷風混合ワクチン)を11歳~12歳までの間に1回接種することが推奨されています。
結核菌により引き起こされる病気です。咳や痰、発熱など、かぜのような症状がみられることが多いですが、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります。小児では症状が現れにくく、全身に及ぶ重篤な結核につながりやすいため、注意が必要です。
結核菌を含んだ飛沫(ひまつ)が咳やくしゃみにより周囲に飛び散り、周りの水分が蒸発した状態で空気中に漂い、それを吸い込むことによって感染します(空気感染)。
BCGワクチンを、標準的には生後5〜8か月未満に1回接種します(一般的な注射とは異なり、上腕の2か所にスタンプを押しつけるやり方です)。
インフルエンザウイルスにより引き起こされる病気です。感染すると、のどの痛み、鼻水、咳などの症状のほか、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛や筋肉痛、全身倦怠感、食欲不振などの全身症状が現れます。日本では、例年12~3月の冬に流行します。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)による感染、または手などを介した接触感染です。
任意接種ですが、生後6か月から接種できます。毎年1回(13歳未満の注射ワクチンは2回接種)行うのが基本です。
新型コロナウイルスにより引き起こされる病気です。感染すると、発熱やのどの痛み、咳などの症状がみられます。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)による感染、または手などを介した接触感染です。
任意接種ですが、生後6か月から接種可能です。年齢やワクチンの種類によって回数が異なります。
1歳から接種が始まるワクチンで予防できる病気には、麻しん(はしか)、風しん、おたふくかぜ(ムンプス、流行性耳下腺炎)、水痘(みずぼうそう)があります。
非常に強い感染力をもつ麻しんウイルスにより引き起こされる病気です。
高熱や発疹などの症状がみられ、重症化すると肺炎や脳炎を引き起こします。
空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染と、あらゆる経路で広がります。
MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種します。1歳で1回目、小学校入学前(5〜6歳)で2回目を接種します。
風しんウイルスにより引き起こされる病気です。感染すると、発熱、全身に小さな赤い発疹、リンパ節の腫れがみられるのが特徴です。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)による感染、または手などを介した接触感染です。
MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種します。1歳で1回目、小学校入学前(5〜6歳)で2回目を接種します。
ムンプスウイルスにより引き起こされる病気です。2~3週間ほどの潜伏期間があり、ほほの腫れやあごの痛み、発熱などがみられます。
咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)による感染、または手などを介した接触感染です。
任意接種ですが、日本小児科学会は2回の接種(1回目は1歳になったら早めに、2回目は小学校入学前に)を推奨しています1)。
強い感染力をもつ水痘・帯状疱疹ウイルスにより引き起こされる病気です。発疹と水ぶくれが全身に広がり、発熱を伴います。
空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染と、あらゆる経路で広がります。
生後12~36か月の間に2回の接種を行います。

3歳になると、日本脳炎ワクチンの接種が始まります。3歳から開始するのは1種類のみですが、これまでに接種してきたワクチンの2回目以降のスケジュールと重なることもあります。
日本脳炎ウイルスにより引き起こされる病気です。
感染すると、突然の高熱、頭痛、おう吐、けいれんなどの症状がみられます。
ウイルスに感染したブタを吸血した蚊が人を刺すことによって感染します。人から人には感染しません。
1期目の接種として、3歳で2回、4歳で1回の合計3回を接種し、2期目の接種として、9歳で1回の追加接種を行います。

小学校6年生からは、HPVワクチンの接種が始まります。小学校6年~高校1年の女子が定期接種の対象です。対象年齢を過ぎてからでも接種は可能ですが、任意接種のため費用が自己負担となります。また、男子の場合は9歳以上で任意接種が可能です。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は子宮頸がん発症の原因となることがあります。また、子宮頸がん以外にも、肛門がんや膣がん、中咽頭がん、陰茎がんなどにも関わっていると考えられます。
主に性的接触を通じて感染します。
接種は小学校6年から高校1年の期間に行うことが推奨されています。
1回目の接種を受けるときの年齢によって接種のスケジュールが異なり、合計2回または3回接種します。