定期接種と任意接種|日本の予防接種制度と費用
日本の予防接種は「予防接種法」に基づき、定期接種と任意接種に分かれています。対象年齢や自治体からの助成の有無、自己負担額など、ワクチン接種にかかる費用の違いを紹介します。
目次
定期接種と任意接種の違い
定期接種とは「予防接種法」という法律に記載されている予防接種のことです。定期接種A類はお住まいの自治体で対象年齢の期間内に受ける場合、原則無料で接種が受けられます。定期接種B類は、通常、費用の一部を自己負担する必要があります。万が一、接種後に健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく救済が受けられます。
任意接種とは、国が医薬品として認めてはいるものの、予防接種法で規定されていない予防接種のことです。費用は基本的に自己負担となりますが、自治体から助成されることもあります。任意接種のワクチンを接種後に健康被害が生じた場合には、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品副作用被害救済制度によって医療費等の給付を受けることができます。
定期接種・任意接種はどちらも感染症を予防する重要なワクチンです。それぞれの区別を知り、接種のタイミングを逃さないことが大切です。
定期接種の種類と費用

定期接種の対象となる病気は、A類疾病とB類疾病に分けられており、以下のような違いがあります。
- A類疾病の予防接種:感染症の流行を抑えることや、重い病気を予防することを主な目的としています。お住まいの自治体で受ける場合、公費で接種が受けられるため、自己負担はありません。
- B類疾病の予防接種:接種を受ける方個人の予防が主な目的です。費用の一部が公費で負担されます。
定期接種として定められている予防接種は、ワクチンの種類ごとに対象年齢や接種期間が決められています。例えば、水痘(みずぼうそう)ワクチンの対象年齢は、生後12か月から36か月になるまで(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日まで)とされており、対象年齢の期間内にスケジュールにしたがって2回の接種を行います。
対象年齢を過ぎてしまうと定期接種とはみなされず、費用が自己負担となります。ただし、やむを得ない事情があると判断されたときは、特別措置として公費で接種を受けられる場合もありますので、お住まいの自治体に確認してください。
定期接種は、接種を受けられる医療機関やスケジュールについて、自治体から案内があります。適切な接種時期を逃さず、忘れずに接種を受けることが重要です。
任意接種の種類と費用

任意接種は予防接種法で規定されていない予防接種ですが、感染予防に重要なワクチンも多く含まれています。
例えば、感染すると発熱や唾液腺の痛み、腫れを引き起こすおたふくかぜ。軽い病気と思われがちですが、神経やその他の合併症により入院が必要となったり、妊婦さんが感染すると流産のリスクが高くなることもいわれています。おたふくかぜワクチンは任意接種ですが、日本小児科学会では2回の接種(1回目は1歳になったら早めに、2回目は小学校入学前の1年間)を勧めています1)。
任意接種のワクチンの接種費用は、基本的に自己負担となります。自治体によっては助成されることもありますので、自治体のサイトなどを確認するとよいでしょう。
定期接種や任意接種は予防接種法に基づき分かれていますが、法律の内容が変わることもあるので注意が必要です。例えば、水痘(水ぼうそう)ワクチンやB型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンのように、現在は定期接種となっているワクチンの中にも、以前は任意接種とされていたものがあります。上のお子さんの時は任意接種でも、下のお子さんでは定期接種に変更されている可能性もありますので、自治体や厚生労働省のサイトをもとにその時の最新の情報を確認しましょう。
まとめ
定期接種のA類疾病およびB類疾病の対象として規定されているワクチンと、任意接種の代表的なワクチンを以下の表にまとめました(2026年4月時点)。ワクチンの種類によって対象年齢などが異なるため、よく確認しましょう。
2026年4月時点
| 定期接種(A類疾病) | 定期接種(B類疾病) | 任意接種 | |
| ワクチンの種類 |
|
※B類疾病は主に65歳以上の方と60~64歳で一定の基礎疾患がある方が対象です。
|
|
| 費用 | 無料(お住まいの自治体で受ける場合) | 一部自己負担あり | 有料(自治体から助成される場合もあり) |
参考文献
- 1)日本小児科学会 「日本小児科学会の知っておきたいわくちん情報」おたふくかぜワクチン http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=263