インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症
インフルエンザワクチンや新型コロナワクチンなど、ワクチンの中には毎年の接種が推奨されているものもあります。その理由は、流行するウイルスの株が毎年変わるからです。ワクチンは、その年に流行が想定されるウイルスの株を予測して作られているのです。ここではインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症について、感染した時の症状、治療、予防方法を詳しく解説します。
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ここでは、ワクチン接種で予防できる主な感染症であるB型肝炎、ロタウイルス感染症、肺炎球菌感染症、結核について、感染した時の症状、治療、予防方法を詳しく解説します。
B型肝炎ウイルスにより引き起こされる病気で、感染すると肝臓の細胞がこわれたり、その影響で肝臓の働きが悪くなったりします。主に血液や体液を介して感染します。出産の時にお母さんから赤ちゃんへの感染(母子感染)やお父さんからの感染など家族内での感染も起こります。性行為も感染経路となります。
一過性の感染で終わる場合と感染状態が続いてしまう持続感染があり、乳幼児期に感染すると持続感染を起こす割合が高いことが知られています。
B型肝炎を発症すると、主な症状として疲れやすさ、発熱、黄疸などがみられます。
B型肝炎を発症した人の一部は劇症肝炎を引き起こし、命にかかわることがあります。持続感染を起こすと、将来慢性肝炎や肝がんになる場合があります。
B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、採血して検査します。
急性のB型肝炎は、基本的には、症状に応じた治療を行います。慢性化した場合には、抗ウイルス薬による治療が行われます。
B型肝炎を予防するワクチンが開発されています。ワクチン接種により多くの方が免疫をつけることができるといわれていますが、予防接種を受けても、その方の体質や体調によって免疫がつかないことがあります。お子さんの場合、生後2か月から接種を始め、合計3回(1回目:生後2か月、2回目:生後3か月、3回目:生後7~8か月)が基本です。
B型肝炎に感染しているお母さんから生まれた赤ちゃんへは、定期接種ではなく健康保険での接種となり、スケジュールも異なります(母子感染予防)。母子感染予防では通常、生後12時間以内を目安にワクチンを接種し、免疫グロブリン製剤も併用します。ワクチンは、初回接種の1か月後および6か月後の2回、同様に接種します。抗体が獲得されていない場合には、あと3回追加接種します。
血液や体液を介して感染するので、感染している人の血液や体液になるべく触れないことが大切です。

ロタウイルスにより引き起こされる病気で、急性の胃腸炎をおこします。主に便の中のウイルスが手やおもちゃなどを介して口に入ることで感染しますが、ロタウイルスは感染力が強いので、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。5歳までにほぼすべての子どもが一度はロタウイルスに感染するといわれています。
主な症状は、吐き気やおう吐、水のような下痢、発熱、腹痛です。通常、回復には1週間ほどかかります。
まれに熱性けいれんや肝機能障害、腎不全、脳症などを合併することがあります。重い脱水で入院が必要になることもあります。
症状や周囲の流行状況などを総合的に判断し、ロタウイルスが原因と推定して診療が行われます。ただし、症状だけでロタウイルスの確定診断はできないため、便を用いた迅速診断検査が多く用いられています。迅速診断検査は、結果が早く出るメリットがある一方、感染していても陽性とならない場合もあるため、医師が必要と認めた場合に、診断の補助として用いられます。
ロタウイルス胃腸炎に、特別な治療方法はないため、経過観察しながら症状に応じた治療を行います。脱水などの合併症をきたさなければ、1週間程度で自然に回復します。
ロタウイルスワクチンは生後6週から接種可能で、通常、初回の接種を生後2か月から生後14週6日までに行います。飲むタイプのワクチンで、種類によって2回または3回接種します。ワクチンを接種することで、ロタウイルス胃腸炎による入院を減らすことができるとされています。
感染を広げないようにするには、おむつの適切な廃棄や、手洗いの徹底などが必要です。おむつを交換するときは、使い捨ての手袋などを使い、ポリ袋などに入れて捨てます。衣類がウイルスに汚染されてしまったら、次亜塩素酸ナトリウム系の消毒剤を用いて消毒し、他のものと分けて洗濯します。手洗い時は、指輪や時計をはずして、石けんで30秒以上もみ洗いしましょう。ロタウイルスにはアルコールなどの消毒薬ではあまり効き目がありません。
肺炎球菌という細菌により引き起こされる病気です。咳やくしゃみなどの飛沫(ひまつ)により感染します。主な症状は、急な発熱や咳、全身のだるさなどです。まれに髄膜炎や頭痛、意識障害、けいれんなどがみられます。集団生活が始まっているお子さんのほとんどと、日本人の約3~5%の高齢者では菌を持っているといわれています。保菌者のすべてが発症するわけではなく、免疫力の低下、粘膜バリアの損傷などにより菌が体内に侵入すると発症します。
発症すると中耳炎や副鼻腔炎、気管支炎、肺炎などを起こします。重い合併症として、髄膜炎、敗血症、菌血症などを起こすことがあります。特にお子さんでは、髄膜炎になった子どものうち、2%が亡くなり、10%が難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。小さい子どもほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
血液や髄液などに菌がいるかどうかなどを調べて診断します。抗菌薬による治療が行われます。
乳幼児および高齢者が対象となるワクチンがあり、ワクチンの種類や接種回数が異なるので注意が必要です。
お子さんのワクチンは、生後2か月から接種を開始し、初回3回+1歳になったら追加1回の計4回の接種が基本です。初回接種時の月齢、年齢によって接種回数が変わりますので、詳細については母子健康手帳、自治体または接種を受ける医療機関に確認しましょう。
65歳の方と、60~64歳で心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方については、定期B類接種として1回接種します。
感染を防ぐために、手洗いや咳エチケット、人混みを避けるなどの対策も有効です。

結核菌により引き起こされる病気です。結核菌を含んだ飛沫(ひまつ)が咳やくしゃみにより周囲に飛び散り、周りの水分が蒸発した状態で空気中に漂い、それを吸い込むことによって感染します(空気感染)。
吸い込んだ結核菌が肺に定着した状態を「感染」といいます。結核菌が体内にあっても、特に悪い影響を与えていない状態では人に感染させることもありません。一方、結核菌が体内で増えて病気を引き起こした状態を「発病」といいます。
結核菌は主に肺の中で増えるため、発病すると咳や痰、微熱などの症状が現れ、血痰、食欲低下、体重減少などがみられることもあります。
菌が肺以外の臓器に広がって、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあります。乳幼児は重症化しやすく、結核菌が脳や脊髄を包んでいる膜に感染する結核性髄膜炎や結核菌が体中に広がる粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)などを引き起こすことがあるため、注意が必要です。
結核に感染しているかどうかを調べる方法には、血液検査やツベルクリン検査があります。結核を発病しているかどうか診断する方法には、痰の中に結核菌がいるかどうか調べる検査と胸部エックス線検査があります。治療では抗結核薬を使用します。
結核を予防するワクチン(BCGワクチン)が開発されています。標準的には生後5〜8か月未満に1回接種します。一般的な注射とは異なり、上腕の2か所にスタンプを押しつけるやり方です。