インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症

インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症

インフルエンザワクチンや新型コロナワクチンなど、ワクチンの中には毎年の接種が推奨されているものもあります。その理由は、流行するウイルスの株が毎年変わるからです。ワクチンは、その年に流行が想定されるウイルスの株を予測して作られているのです。
ここではインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症について、感染した時の症状、治療、予防方法を詳しく解説します。

目次

インフルエンザ

まず、インフルエンザについて解説します。

感染経路と病態、主な症状

インフルエンザウイルスにより引き起こされる病気です。インフルエンザウイルスはA型、B型、C型、D型の4つに大きく分類されます。このうち、大きな流行の原因となるのはA型とB型です。日本では、例年12~3月の冬の時期に流行します。咳やくしゃみの飛沫(ひまつ)による感染、または手などを介した接触感染により感染が広がります。

38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身のだるさなどの症状が、比較的急速に現れます。のどの痛み、鼻水、咳など普通の風邪と同じような症状もみられます。

発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれており、ウイルスを排出している間は外出を控える必要があります。

重症化した場合はどうなるの

ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が出現します。この状態を「発病」といいます。発病後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。お子さんではまれに急性脳症を発症したり、高齢者や免疫力の低下している方は細菌による肺炎を伴う等、重症になることがあります。

診断と治療方法

迅速診断キットを用いた抗原検査などにより診断します。

発症後48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬の服用を開始すると、発熱している期間が通常より1~2日ほど短くなり、さらに鼻や喉から排出されるウイルスの量も少なくなるとされています。一方で、症状が現れて48時間以上経過してから服用を始めた場合は、十分な治療効果は期待できない可能性があります。

予防

現在使用されているインフルエンザワクチンは、接種すれば絶対にインフルエンザウイルスに感染しないというものではありませんが、インフルエンザの発病を予防する効果や、発病後の重症化や死亡を予防することには一定の効果があるとされています。

インフルエンザワクチンは、その年に流行すると予測されるウイルスをもとに作られています。そのため、前年に接種した場合でも、今年流行する可能性のあるウイルスに対応するために、そのシーズンのワクチン接種を検討することが推奨されています。

定期接種の対象となるのは、以下に該当する方です。毎年、秋冬に1回の接種を受けられます。

 

  • 65歳以上の方
  • 60~64歳で対象となる方(※)

※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方。

上記以外の方は、希望した場合に任意接種として接種します。毎年1回(13歳未満の注射ワクチンは2回)行うのが基本です。自治体によっては任意接種の費用を助成している場合がありますので、お住まいの自治体にご確認ください。

うつらないための対策として、正しい手洗い、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、適度な湿度(50%から60%)を保つこと、流行期に人混みを避けること、人混みを避けられない場合などにはマスクの着用、室内ではこまめな換気を心がけることなども大切です。

新型コロナウイルス感染症

続いて新型コロナウイルス感染症について解説します。

感染経路と病態、主な症状

新型コロナウイルスにより引き起こされる病気です。くしゃみや咳、会話のときに口や鼻から排出される飛沫(ひまつ)もしくはエアロゾルと呼ばれるさらに小さな水分を含んだ状態の粒子を吸い込むか、感染している人の目や鼻、口に直接接触、あるいは媒介物を介して間接的に接触することにより感染します。ウイルスを排出する期間には個人差がありますが、一般的には発症の2日前から発症後7~10日間程度は感染性のあるウイルスが排出されるといわれています。特に発症後3日間は感染性のウイルスの排出量が多く、発症後5日が経つと大きく減少します。そのため、発症してから5日間は周囲の人に感染させるリスクが高いことに注意が必要です。

感染すると、発熱やのどの痛み、咳などの症状がみられます。感染した方のうち、6%に罹患後症状が発生したという報告があります。代表的な罹患後症状には、疲労感、倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などがあります。

重症化した場合はどうなるの

新型コロナウイルス感染症においては、新型コロナウイルスの感染と診断された症例(無症状を含む)のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った場合または命を落とすことを「重症化」と定義されています。その割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。また、重症化しやすいのは、高齢者、免疫不全、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心疾患などの持病をお持ちの方、一部の妊娠後期の方とされています。重症化すると、肺炎や呼吸不全をきたし、酸素投与や人工呼吸器管理、ECMO(体外式膜型人工肺)などの治療を要する場合があります。これらの方には特にワクチン接種による重症化予防効果が期待されています。なお、65歳以上の方と、60~64歳で心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方については、定期B類接種の対象となります。(後述)

診断と治療方法

体内にウイルスを持っているかどうかをPCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査などの方法で調べます。検査の種類や症状によっては、鼻から綿棒を挿入して鼻咽頭から採取した検体だけでなく、唾液や鼻腔からの検体を使うことが可能な場合もあります。

軽症の場合は自然に軽快することが多いとされており、重症化リスクのない患者さんでは必要に応じて解熱剤や抗ウイルス薬などが検討されます。重症化リスクのある患者さんでは、中和抗体薬や抗ウイルス薬を用いて重症化を防ぐ治療を行います。呼吸がうまくできず全身に十分な酸素がまわらなくなっている場合には、抗ウイルス薬や炎症を抑えるステロイド薬、免疫の働きを調整する薬の使用や、酸素の投与が行われます。それでも状態が改善しないときには、人工呼吸器を用いるなどの集中治療が行われることがあります。

予防

新型コロナワクチンについては、国内外で実施された研究などにより、新型コロナウイルス感染症にかかった場合の入院や死亡等の重症化予防効果が認められたと報告されています。また、新型コロナワクチンは、毎年、流行が予測されるウイルスの株に対応したワクチンが製造されています。流行しているウイルスの株と合致した場合、より高い中和抗体価の上昇等が期待されることから、新型コロナワクチンの接種については、重症化予防効果に加えて、発症予防効果の向上が期待されると考えられています。そのため、以前ワクチンの接種を受けた方も、毎年の新型コロナワクチンの接種について検討することがすすめられます。

以下に該当する方は、新型コロナワクチンの定期接種の対象となります。毎年秋冬に1回接種を受けられます。

 

  • 65歳以上の方
  • 60~64歳で対象となる方(※)

※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方。

 

定期接種の対象者以外の方や、定期接種のタイミング以外で接種する場合は、任意接種として受けることが可能です。

予防方法としては、石けんと流水による手洗いが最も重要です。手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒も効果的です。マスクの着用などの咳エチケット、換気などもあわせて行いましょう。

関連コンテンツ

ワクチンと感染症.comサイトから
外部サイトへ移動します

ここからは、第一三共(株)の運営するウェブサイトではありません。
外部サイトを表示する場合は「続ける」を押してください。
元のページに戻る場合は「戻る」を押してください。