学校における感染症と出席停止の考え方【第二種感染症一覧】

学校における感染症と出席停止の考え方【第二種感染症一覧】

お子さんが感染症にかかると、「いつまで学校や保育園を休むのか」「どう対応すればよいのか」と不安になる保護者の方も多いでしょう。この記事では、学校保健安全法に基づき、学校において予防すべき感染症の種類や出席停止の基準、出席停止期間の正しい数え方、家庭でできる予防策を解説します。

目次

学校での感染症対策|感染症の拡大を防ぐために

学校は子どもたちが集団で生活する場であるため、感染症の種類によっては出席停止の措置が必要となる場合があります。これは、学校内での感染拡大を防ぐとともに、感染したお子さん本人の十分な回復を目的としています。

学校保健安全法に基づく措置

児童生徒や教職員の健康の保持、増進を図るため、学校における保健管理や安全管理に関する必要な事項が定められた法律が学校保健安全法です。その法律の第十九条にて、以下に当てはまる幼児、児童、生徒または学生は、出席を停止させることができると定められています。

 

  • 感染症にかかっている
  • 感染症にかかっている疑いがある
  • 感染症にかかるおそれのある

学校保健安全法は、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学および高等専門学校を対象にしたものです。
保育所は児童福祉施設となるため上記に含まれていませんが、保育所における健康診断および保健的な対応については、学校保健安全法に準拠して行われています。

出席停止は「欠席」扱いにならない

学校保健安全法に基づき出席停止とされた期間は、出席しなければならない日数には含まれず、欠席日数としては記録されません。文部科学省は、成績評価や進級、進学、入試、卒業などに不利益が生じないよう、教育委員会や学校等に対して呼びかけています。

【一覧】学校保健安全法で定められた学校において予防すべき感染症の種類と出席停止期間

学校において予防すべき感染症は、第一種感染症、第二種感染症、第三種感染症に分類されています。ここでは、感染症の種類ごとの出席停止期間、ワクチンの有無を解説します。

第一種感染症:原則治癒するまで

第一種感染症の出席停止期間の基準は治癒するまでです。

2026年4月時点

感染症名 ワクチンの有無 ワクチン名(主なもの)
エボラ出血熱(エボラウイルス病) なし
クリミア・コンゴ出血熱 なし
痘そう あり 痘そうワクチン
南米出血熱 なし
ペスト なし
マールブルグ病 なし
ラッサ熱 なし
急性灰白髄炎(ポリオ) あり 5種混合ワクチン
不活化ポリオワクチン
ジフテリア あり 5種混合ワクチン
3種混合(DPT)ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風混合ワクチン)、2種混合(DT)ワクチン(ジフテリア、破傷風混合ワクチン)
重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。) なし
中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。) なし
特定鳥インフルエンザ なし

定期接種に該当するかどうかは感染症や年齢によりますので、自治体などに確認してください。

第二種感染症:児童生徒などが罹患することが多く集団発生しやすい

第二種感染症は、空気感染または飛沫感染するもので、児童生徒などがかかることが多く、学校において流行を広げる可能性が高い感染症が規定されています。
出席停止期間の基準は、感染症ごとに個別に定められています。ただし、学校医やその他の医師が感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。

 

【出席停止期間】

  • インフルエンザ
    • 発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで。
  • 百日咳
    • 特有の咳が消失するまで。または5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで。
  • 麻しん(はしか)
    • 解熱した後3日を経過するまで。
  • おたふくかぜ(ムンプス、流行性耳下腺炎)
    • 耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで。
  • 風しん
    • 発疹が消失するまで。
  • 水痘(みずぼうそう)
    • すべての発疹が痂皮化するまで。
  • 咽頭結膜熱
    • 主要症状が消退した後、2日を経過するまで。
  • 新型コロナウイルス感染症
    • 発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過するまで。
  • 結核および髄膜炎菌性髄膜炎
    • 病状により学校医その他の医師において感染のおそれが無いと認めるまで。
    • また、第一種感染症もしくは第二種感染症にかかっている方の同居家族や、これらの感染症にかかっている疑いがある方については、予防処置の状況やその他の事情により、医師が感染のおそれがないと認めるまでが出席停止期間の基準となります。

 

2026年4月時点

感染症名 ワクチンの有無 ワクチン名
インフルエンザ あり インフルエンザワクチン
百日咳 あり 5種混合ワクチン
3種混合(DPT)ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風混合ワクチン)
麻しん(はしか) あり MRワクチン
麻しんワクチン
おたふくかぜ(ムンプス、流行性耳下腺炎) あり おたふくかぜワクチン
風しん あり MRワクチン
風しんワクチン
水痘(みずぼうそう) あり 水痘ワクチン
咽頭結膜熱 なし
新型コロナウイルス感染症 あり 新型コロナワクチン
結核 あり BCGワクチン
髄膜炎菌性髄膜炎(侵襲性髄膜炎菌感染症) あり 髄膜炎菌ワクチン

定期接種に該当するかどうかは感染症や年齢によりますので、自治体などに確認してください。

第三種感染症:学校において流行を広げる可能性がある

第三種感染症には、学校において流行を広げる可能性がある感染症が規定されています。出席停止期間の基準は、病状により学校医やその他の医師が感染のおそれがないと認めるまでです。

2026年4月時点

感染症名 ワクチンの有無 ワクチン名
コレラ なし
細菌性赤痢 なし
腸管出血性大腸菌感染症 なし
腸チフス、パラチフス 腸チフスはあり
パラチフスはなし
腸チフスワクチン
流行性角結膜炎 なし
急性出血性結膜炎 なし

また、第三種感染症には「その他の感染症」に分類されている病気もあります。これは、学校で通常見られないような大きな流行が発生した場合に、感染拡大を防ぐ目的で必要と判断されたときに限り、校長が学校医の意見を踏まえて第三種感染症のその他の感染症として措置をとることができるものです。

出席停止期間の考え方、注意点

出席停止期間を数える際は、「発症」や「解熱」などの現象がみられた日は期間として数えず、その翌日を1日目とします。

「発症した後5日を経過し」の場合、発症した日が土曜日であった場合には土曜日は数えず、日曜日を1日目、月曜日を2日目と数えていき、5日目にあたる木曜日まで休み、金曜日から出席可能ということになります。
「解熱した後2日を経過するまで」の数え方も同様で、月曜日に解熱を確認した場合、月曜日の翌日である火曜日を1日目、水曜日を2日目と数え、木曜日から出席可能ということになります。

子どもが感染症にかかった時の対応フロー

お子さんが感染症にかかった時、必要な対応の流れを解説します。

 

  1. 症状が出たら:速やかに医療機関を受診
    感染症が疑われる症状がみられたら、できるだけ早くかかりつけの小児科や内科などを受診しましょう。
  1. 診断されたら:学校へ報告、連絡
    感染症と診断されたら、学校などへ報告の連絡を入れましょう。なお、診断は、症状やその他の検査結果などを総合して、診察した医師が医学的知見に基づいて行うものです。全てのお子さんに対して一律に、学校から特定の検査などの実施を求める必要はないとされています
  1. 自宅療養:出席停止期間の過ごし方
    出席停止期間は、感染拡大の防止だけでなく、感染したお子さんの体調が回復するために大切な時間です。できるだけ安静に過ごしましょう。
  1. 登校再開:必要な手続きと書類
    治癒の判断についても診断と同様に、医師が医学的知見に基づいて行うものであり、一律に、学校から特定の検査などの実施を求める必要はないとされています。また、新型コロナウイルス、インフルエンザの場合、国の通知では治癒証明書の提出は不要とされています。実際の運用は自治体・学校によって異なる場合があるため、登校を再開する際には各機関に確認してください。

家庭でできる学校生活における感染症対策

お子さんが感染症にかかった場合、兄弟や家族間での感染を広げないためにも、正しい手洗い、部屋を分ける、定期的な換気、咳エチケット、タオルの共用を避けるなどの感染症対策が大切です。そして、十分な睡眠や栄養のある食事をとり、安静に過ごすようにしましょう。
学校はお子さんが集団生活を営む場所であるため、感染症が発生した場合には感染が拡大しやすいといえます。ワクチンで予防可能な感染症は、接種対象年齢になったら速やかに予防接種を受けて、あらかじめ免疫をつけておくことが感染症を未然に防ぐために重要です。特に、集団生活に入る前までに、必要回数の接種が完了していることが大切です。
お子さんが出席停止になると、受診や看病のために仕事を休む必要があるなど、保護者の方にも負担がかかります。その点からも、ご家庭でできる感染症対策を日頃から行うことが重要です。

まとめ|学校や集団生活で感染症を広げないために

学校や集団生活で感染症を広げないためには、感染症が流行した時に冷静に対応できるよう準備しておくことが大切です。そして、手洗いやうがい、咳エチケット、ワクチンの接種などの予防対策とともに、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠で抵抗力を高めることを日頃から意識しましょう。

出席停止期間には、本人の回復と感染拡大防止という重要な目的があります。正しく理解して、決められたとおりに対応することが大切です。

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